上海浪漫紀行・龍華寺周庄から上海に戻って、ホテルに帰る前に、龍華寺によることにする。龍華寺は、古い、由緒あるお寺で、庶民に親しまれている。周辺には、仏具やお守り、おめでたい飾りなどを売るお店が並ぶ。どこの国でもお寺の門前町は似たようなもん。ちょうど、浅草寺や善光寺さんみたいな感じ。 三国志でお馴染みの、呉の孫権が建てたお寺だそうで、建物はとても立派。写真の塔は七重の塔。高さは40メートルもあるそう。 さ、ありがたい仏様を拝みに参りましょう! ところが、ところが、すんなり中に入れてはもらえない。 観光客と見れば、わらわらと集まってくる物乞いさん。 棍棒のような肘をにゅっ、と突き出すひと。 いざって足元によってくるひと。 その昔、上野駅の地下道で、傷痍軍人と呼ばれる人たちが、白い着物を着てオルゴールなどをまわしていた。とても悲しい気持ちになったものだ。 体の不自由な(ほんとに不自由なのか、怪しいひともいるのだろうが。)ひとが物乞いする姿には、正直、心が痛む。日本人は特に、物乞いには免疫がないから。 しかし!ここは冷たく振り切らなくてはなりませぬ! 同情してひとりに恵んだら最後、全員にあげなきゃならない羽目になる! だから、伸びてくる腕を蹴散らし、蹴散らし、さっさと歩くに限るのだ。 なんて、自分は冷たい人間なんだ、とちょっとだけ自己嫌悪。 でも、ベンツで豪邸に帰る物乞いもいるそうだから、ほんとに可愛そうなひとたちなのか、わからないのだ。だいたい、社会主義国で、物乞いなんかいちゃいけないでしょ。(中国、経済は資本主義だけど。) 地元のひとは物乞いなんか相手にしない。実に、冷たくあしらっている。 いいカモになってるのは、中国に負い目も感じる日本人。 |